珍しいクルマを見たい一心で自転車に乗って行った都心の祝田橋交差点―――そこでなんと「ランボルギーニ・ミウラ」を目撃してしまった私は、調子に乗って次の日曜日もまた祝田橋交差点へ足を運んだ。
ただ、前回と異なっていたのは移動手段が地下鉄で、その胸には親から借りたカメラがぶら下げられていたことだ。
そう、前回ミウラを見たのに何も証拠が残せなかったことへの反省から、親が持っていたペンタックスの一眼レフを借り、モノクロフィルムを何本も持って、地下鉄日比谷線に乗って日比谷駅で降り、祝田橋交差点でカメラをぶら下げて、珍しいクルマが来るのをひたすら待ち続けていたのだ―――。
今どきそんな場所で、そんな不審な行動をとっていたら職務質問必至と思われるが、当時は今と違っておおらかな?世の中で、その後何度も同じような行動をとっていたが、一度も職務質問を受けることはなかった(ただ一度、都内では「泣く子も黙る」コワ~イ高校のお兄さんに「キミ、ウチの学校に来ないか!?」と声を掛けられたことがあったけど‥‥‥(^^;)。
この時の私の行動―――カメラをぶら下げた子供が珍しいクルマの写真を撮る――― これは、1970年代半ばの「スーパーカーブーム」の時に大量発生した「カメラ小僧」の先駆けであったと自負している。
そう、この私こそが「スーパーカーブームのカメラ小僧」の元祖なのだ(笑)。
「元祖」を名乗るにふさわしいエピソードがあるので紹介しよう。
この頃、何度も祝田橋交差点へカメラをぶら下げて通っていた私だったが、祝田橋一か所にとどまらずその付近のいろんな場所にも足を延ばしていた。
そんなある日、帝国ホテルの前を歩いていると、ちょうど「トヨタ2000GT」がホテルから出てくるのを発見し、大急ぎで駆けつけ写真を撮りまくった。
↑トヨタ2000GTの初期型(これは私が撮った写真ではありません)。