毎回カーオーディオの枠を超えて暴走中の「JBLプレミアムサウンドシステムで聴く」シリーズでありますが、ここで取り上げたいCDがもう沢山ありすぎて、どれから手を付けていいのか迷ってしまう状況の中、ふと冷静になってみるとその対象が「昔のCD」ばかりになっていることに気付いた。
まぁ、還暦を過ぎて「昔はよかった‥‥‥」と過去を懐かしむオッサン丸出しな状況(笑)となっているわけだが、今回はヴェル様のJBLプレミアムサウンドシステムとはまったく関係なく【番外編】として、なぜこういう状況になってしまっているかを自分なりに分析してみることにした。
日本語には「心の琴線に触れる」という、とても美しい表現がある。
その意味は「物事に感動し共鳴する心情」というようなことなのだが、驚いたことに最近ではこの言葉の意味を「怒りを買ってしまうこと」だと勘違いしている人が多いそうで、思わず「それは『逆鱗に触れる』だろ!!」ってツッコミを入れてしまった。
心の中の琴の線に触れる―――なんて文学的で素晴らしい表現でしょう!? そんな美しい言葉を「怒りを買ってしまうこと」と思っている人が大勢いるという現実に愕然とし、日本ももうおしまいだな‥‥‥などと悲観的な気持ちになってしまったけど、気を取り直して話をすすめて行くことにしよう。
もう完全に私個人の話になってしまうが、昔はラジオ(FM)から流れてくる音楽の中に、私の心の琴線(念のため書いておくが「ことせん」ではなく「きんせん」と読む)に触れるものが沢山あったものだ。
で、その曲について調べて、レンタルショップに行ってそれを探して借りて、テープにダビングして聴く――― それが私の音楽との付き合い方だった。
そして、その「ネタ元」はJ-WAVEが圧倒的に多かったのだが‥‥‥ あ、これはもう関東地区のローカルな話題になってしまうので、J-WAVEについては
こちら(Wiki様の解説)をご覧ください。
J-WAVEは1988年に開局したが、それまでのラジオ局(他のFMを含む)とは一線を画す「More Music Less Talk」というコンセプトのもと、沢山の新鮮な音楽(当初は洋楽が中心だった)を「たれ流し」のような状態で聴かせてくれたのだ。
そんなわけで、開局直後から(正確には開局前の試験放送の時から)私の仕事場にはいつもJ-WAVEがかかっていて、そんな中で頻繁に「私の心の琴線に触れる」音楽との出会いがあったというわけである。
そしてそれは、最初はほとんどが洋楽だったのだが、そのうち「洋楽っぽい」邦楽もかかるようになり、J-WAVEではそれを「J-POP」と名付けた。
今では一般的な呼称となった「J-POP」であるが、それを生み出した当時のJ-WAVEは、音楽的だけでなく社会的にも大きな影響を持っていたような気がする。
だが、そんなJ-WAVEにもやがて変化が訪れる。
お洒落な音楽を一日中流すイメージだった「More Music Less Talk」のコンセプトは消滅し、他の放送局と同じような「商業主義優先」ともいえるような凡庸なプログラムが増え、お笑い芸人をナビゲーターに起用する等、それまでの「洒落たイメージ」が消え「AM放送的な内容」が幅を利かすようになっていったのである。
開局当初は、おそらくスタッフの中に音楽的なアンテナを張り巡らしている「音楽好き」が数多くいて、彼らが自分のアンテナに引っかかった音楽をオンエアしていたのだろうと想像できたが、バブル景気に沸いていた開局当初はそれでも成り立っていた経営が、バブル崩壊後はそうはいかなくなってしまった、というのが現実ではないだろうか。
その結果、スポンサー重視の方針に転換せざるを得なくなり、オンエアする曲もスポンサーや芸能事務所の意向によって決められることが多くなってしまったのだろう。まぁ「商業放送」であれば当然のことと言えなくもないが、開局当初の「More Music Less Talk」な時代を知っている身としては残念でならない。
そんなわけで、それまでJ-WAVE一辺倒だった私も徐々に心が離れて行きつつあった2000年の10月、私の「J-WAVE離れ」を決定づける出来事が起こった。
土曜日の夜10時~11時という、言ってみれば「ゴールデンタイム」の時間帯に、証券会社がスポンサーに付いた
「MAKE IT 21」という新番組がスタートしたのだが、その内容が音楽には無関係な、FM局としては異端と言える「金儲け」がテーマだったのだ。
そして、その新番組のナビゲーターというのが、どこの馬の骨かもわからない横文字の名前の胡散臭い男で、喋りのところどころで挟む「カッコつけまくった英語」が鼻につくし、迎えるゲストも起業家だか何だか知らないけど勘違いしてる感じだし、何といっても番組の締めでそのナビゲーターがゲストに向かって「貴方にとって『成功』とは何ですか?」と聞く場面に至っては、もう聞いててヘドが出るほどの不快感を感じたのであった。
「J-WAVEもこんなインチキ臭い番組を放送するなんて、もう完全に終わったな‥‥‥」
だが、こんな番組が音楽好きが多いはずのJ-WAVEで長く続くはずはない、どうせ半年で終わって違う番組に代わるさ――― という私の予想はことごとく外れ、この番組は何年も続き、あの馬の骨ナビゲーター(笑)もどんどん調子に乗っているではないか!!
どうにも怒りが収まらない私は、当時私がやっていたブログでこの番組を批判する記事を書いている。
→https://twk.blog.shinobi.jp/Entry/113/↑この記事の中ではその男の名前を伏せ字にしているが、べつに隠す必要もないだろう。
そう、2016年3月に経歴詐称を暴かれて話題になった「ホラッチョ川上」ことショーン・Kその人である。
この記事を書いたのは2006年だから、経歴詐称がばれて世間から袋叩きにされる10年前に、私はすでにこの男を叩いていたわけだ。ま、ホンモノとそうじゃないものを見分ける嗅覚はこの頃から身についていたってことかな(←ちょっと自慢)。
この男、詐称が暴かれる直前はいろんなメディアに出まくっていて、それはもう調子に乗りまくっていたが、私はこの男を調子に乗らせてしまった原因はJ-WAVEにもあると思っている。
これがその番組のウェブサイト最後のスクリーンショット↓
で、J-WAVEの現在だが、強制終了となったこの番組の後釜として、不動産投資会社がスポンサーになって、似たような番組をまたやっていて全く懲りていない様子だし、それ以外にも平日夜に政治問題を語っちゃう番組なんかもやっていて、もう完全に「心の琴線に触れる音楽の情報源」としての機能を果たしていない状態になってしまった。
まぁ、J-WAVEに限らず、今のメディアで扱うモノってすべて「おカネ絡み」と言っても過言ではない感じだし、「ホンモノじゃないもの」で溢れ返っているからねぇ‥‥‥ そんな中で「ホンモノ」を探し出すのは、相当な努力と時間が必要かも???
‥‥‥そんなわけで、仕事中も音楽無しではいられないこの私としては、J-WAVEではなく昔聴いたCDをまた聴いて「心の琴線」を刺激し、その良さを再確認しているというワケであります。
↑普通のCDプレーヤーだと複数のCDを連続してかけられないけど、このSONY CDP-CX200Fなら200枚のCDを連続再生でき、ランダム再生もできるので、音楽無しではいられない人にとってはとっても便利なCDプレーヤーです。
↑音質的にもかなり良いレベル。もう中古品しか手に入らないけどおすすめです!!
最後に、今はどこで何をやってるかわからないショーン・K氏に聞いてみたい。
「ショーンさん、貴方にとって成功とは何ですか???」
(「貴方にとって経歴とは何ですか?」の方が良かったかな!?!?)