ここのところちょっとマイナーな音源ばかりを取り上げていた「JBLプレミアムサウンドシステムで聴く」シリーズでしたが、今回のネタはぐっとポピュラーなこちらのCD↓
‥‥‥この記事のタイトルを「○○○○」と伏せ字にしたのにはワケがあります。
そう、ディスる――― つまり、批判的なことも書かせていただくので、本人たちがエゴサーチして読んでしまったら怒るだろうなぁ、という配慮なのです(笑)。
実を言うと私、この「○○○○」は売れる前からよ~く聴いてました。
以前取り上げたZARDと一緒で「流行る前に喰い付いて、流行ったら離れる」という私の得意パターン‥‥‥かと思いきや、売れてからもしばらく聴いていたのだけど、そのうち好きじゃなくなって聴かなくなったという、私の中ではちょっと珍しいパターン。
でも、今回ヴェル様のJBLプレミアムサウンドシステムを手に入れて、昔聴いてた音楽をまた聴きたくなり、最近3枚組のベストが発売されたというのでネットでポチったという次第です。
まず、ジャケットがどうにも品がない感じで「うわ!」と思ったんだけど、気を取り直し(?)「LOVE」とタイトル付けされているDisc1から聴いてみる。
1曲目「うれしい!たのしい!大好き!」あ~懐かしい!よく聴いたなぁこの曲。
このアルバム、NYの「STERLING SOUND」という著名なマスタリング・スタジオがリマスタリングを手掛けているというので、どんな音創りがされているのか興味があったのだが、一聴して昔の音と違っているのが判る。
第一印象としては「○○○○」(←伏せ字ですがこのグループ名です、以下同様)にふさわしい元気いっぱいなサウンドというのだろうか、低域が誇張され、その他の帯域も音で埋め尽くされているという印象だが、低域は50Hz位から下がカットされているような感じで、心地良い重低音というのではなく、ボリュームを上げるとうるさく感じる音創りで、各楽器の分離も良くなく混沌とした印象だ。
また、ヴォーカルも粒子が荒いザラついた感じで、これも大音量では耳障りな感じとなり、サビの部分では元々声を張り上げて「レッドゾーン突入感」を時折見せるこの歌い手の特徴がさらに耳障り感を増長させる。
そして2曲目「決戦は金曜日」‥‥‥これは最悪だ。
私が「○○○○」を好きじゃなくなったのはこの曲が原因だったのに、2曲目でもうそれですか‥‥‥。一気にテンションが落ちまくる私。
まずこの曲、最初に聴いた時に「これって、シェリル・リンのガット・トゥー・ビー・リアルだっけ?あれのパクリじゃん!?!?」と思った。
もう後半のフェイク?のシャウトなんか完全に真似てる感じだし、それがまた何とも品が無い感じで、この曲のおかげで「○○○○」に対する思いが一気に冷めてしまったという、いわく付きの曲なのである。
一口に「パクリ」と言っても実はいろいろあって、その「元ネタ」のアーティストのことが大好きで尊敬している場合、そのエッセンスを上手く取り入れて「オマージュ」として昇華させることができれば、聴くほうも思わず「ニヤリ」とさせられるものなのだ。
ところがこの「○○○○」は、いろんなアーティストをパクってる気がするのだ。
そしてそこには「リスペクト」の存在が全く感じられない。
例えば「SAYONARA」って曲なんかもろにスリー・ディグリーズの「Dirty Old Man」のパクリだってことはイントロ聴いた瞬間に判る。
この他にもいちいち挙げてたらキリがないくらいパクリを感じさせる曲が多いのが「○○○○」なのだ。
ある時私は、この件について「ネット民」の皆々様はどう思っているのか知りたくなって、「○○○○ パクリ」でググってみたのだが、その結果を見て愕然とした。
なななんと!「○○○○」のリーダー(←ダチョウ倶楽部のリーダーという説もあり(笑))そのお方自身が『「決戦は金曜日」はパクリです、ええ』って認めてしまっているじゃありませんか(@_@;)。それも、シェリル・リンのガット・トゥー・ビー・リアルだけじゃなくて、アース・ウインド&ファイアーの「Let's Groove」との「合体パクリ」だというのだ!!
いや~~~、これは気づきませんでしたねぇ、まさかの「ダブルパクリ」だったとは――― リーダーさん、教えてくれてありがとう‥‥‥ってオイ、それはダメだろう!?!?
まぁ、素直に「パクリです」と認めるところがいさぎよいと言えなくもないので、パクリ問題の追及はこの辺でやめておいて、音楽レビューに戻ろう。
2曲目で好きじゃない曲を聴かされ、テンション落ちまくり状態で聴き続けていた私だったが、8曲目「Eyes to me」、これは当時何度も何度も聞いたお気に入りの曲だが、楽曲の良さだけでなく音創りの面でも、それまでのモヤモヤ感をガラッと払拭してくれた。
ここまでの混沌とした音創りから一転し、すっきりとした音場が拡がり、低域も重低音まで伸びて心地よい。
これでヴォーカルにもう少し潤いが加わり、音場がもっと左右に拡がれば言うことがないのだが‥‥‥。
そして9曲目「時間旅行」。もう前半の不振?を帳消しにするくらいいい感じになってきた。
8曲目と同様の音創りで聴かせる名曲だが、「2012年の金環食まで待ってるから―――♪」という歌詞の部分が鳥肌モノだ。
1990年作のこの曲、やはり当時私のお気に入りで何度も聞いていたのだが、その時にはこの歌詞の意味が解っていなかった。
だけど2012年5月に
金環食をこの目で見て、その22年前にこのことを歌詞にしていたのだと知った時の感動が、今回この曲を久しぶりに聴くことによって再び甦ってきたのである。
そしてここから10曲目「The signs of LOVE」、11曲目「星空が映る海」、12曲目「未来予想図」、13曲目「未来予想図Ⅱ」、14曲目「ア・イ・シ・テ・ルのサイン~わたしたちの未来予想図~」と怒涛のロマンティック路線攻撃が続き、もう完全にノックアウト状態。
この8曲目から14曲目までの流れは「お見事!!」と脱帽するしかない。
どうやらこの「○○○○」というグループは、こういう「しっとり系」の曲で真価を発揮するようだ。
というわけで、14曲目まででもう十分「○○○○」の魅力を堪能し「もうお腹いっぱい」な感じで充たされてしまったのだけど、この後まだ2曲収録されていてようやくDisc1が終了。
はっきり言って最後の2曲は無しにして14曲目で終わった方が余韻が残っていいと思うのだが‥‥‥だいたい1枚に16曲も詰め込みすぎでしょ!?!?
だが、まだ2枚分聴いてない曲が残っているので「TEARS」と題されたDisc2を聴き始めるものの――― 重くて暗い曲の連続で、もはや聴き続けることは「苦行」の様相を呈してくる。
12曲目「LAT.43°N ~forty-three degrees north latitude~」は、私が「○○○○」を聴き始めるきっかけとなった曲だが、今聴いてみるとドラムとベースが単調でチープな音創りという印象が強く「あの頃のオレはこんな曲に喰い付いていたのか‥‥‥」と、ちょっぴり複雑な心境になった。
その後も延々と苦行は続き、とうとう全50曲/TOTAL226分を聴き終えた後の感想はというと‥‥‥
「Disc1の8曲目から14曲目だけで私は十分です(^^;」ということでした。
それにしてもこの「○○○○」、なだかんだ言っても日本を代表する音楽グループであることは間違いないですね。
3枚組・全50曲のベスト盤を全部聴いても「あれ?なんであの曲が入ってないんだろう!?」
っていうのが何曲もあるんですから‥‥‥。
「○○○○」が大好きな人にとっては「苦行」なんかじゃなく「至福」の226分ですよね!!
思いっきりディスったかと思えば、次には褒めてみたり―――結局この私も「○○○○」が好きなんでしょうね(^^♪